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キムヒデのPhaethon 2004レポート1 2004/05/21 23:00

ヤーポナス&ヤポニーダのみなさん、カリメーラ!! アテネオリンピック文化事業のソーラーカーレース「Pheathon 2004」に参加するために、キムヒデもついにアテネまで行っちゃいましたよ。時差もあるんですけど、秋田へ夜行で行くトレーニングを積んだせいか?元気です。とりあえず、明日の車検に備え、各チームともアテネ近郊のグリファダにある、飛行場跡地で整備やテスト走行などを繰り返しています。

育英高専の新型車
 さーて、まずは日本チームがどうなっているか?紹介しましょう!! 注目の1台は育英高専の新型車Salesian(サレジアン)です。GHクラフト社で遅くまで製作した関係で、空輸しました。新しいコンセプトを感じますが、現在も製作が続いている状況なので性能は不明。今日の時点ではとりあえずは走るようになったという状況でした。太陽電池はゴッヘルマン製単結晶シリコン太陽電池。低重心の4輪車なのでコーナリングは得意そう。モータはミツバDDを右リアに1台搭載。

 

芦屋大学TIGA
 次は、芦屋大学のTIGA。kokam社製リチウムイオンポリマー電池を搭載。リチウムイオンよりも搭載重量で不利になる点は不満のようだが、低インピーダンスな電池は本大会にはうまくマッチしているように思える。モーターはミツバDDの金色スペシャル。加速時の大電流を制御するために、コントローラを通常の2倍搭載。つまり、2台を並列運転するようだ。(右側写真下)M
PPTもオリジナルのものを今回開発し、意欲を示している。

 

東海翔洋FALCON
 東海大学付属翔洋高の自動車工学部のOBを中心に、東海大学学園OBチームが結成されアテネに参加している。キムヒデの所属も今回はここでお世話になっています。ラリー走行用に視界をよくして安全性を確保した大型キャノピーを用意。ENAX製リチウムイオン電池(LG製セル)はボディー下に抱えるように搭載され、低重心化を実現。サーキット走行にも対応させている。モータは東海大のTokai SpiritやZDPのスーパーでんちくん強力でも使用された、ミツバ製アモルファスコアDDモータ。サイズが大きく高効率なため、大出力を要求されるPheathon 2004にはぴったりのようだ。コントローラは無難な策を採用し1台で駆動している。

 

OSU model S'
 搬送中にショックを受け3輪のスパッツに破損があったといわれるOSU。不幸中の幸いというか、深刻なダメージは無かったようで、今日も快調にテスト走行を繰り返していた。大阪産業大学もOSU model S'も準備に余念がない。4輪のメリットを生かし、高速コーナリングを実現しているようだ。今回はリアの両輪に2台のDDモータを搭載。したがってコントローラも2台となる。100km/hに達すると思われるテスト走行では、路面に落ちている石などの影響で、ダンロップ製のソーラーカー用タイヤでさえもパンクに悩まされるようだ。
チームサンレイクさんは、夕方遅くにテストランをおこなっていました。いずれ紹介しますのでお待ちください。また、玉川大学はソーラー&燃料電池によるハイブリッドソーラーカーの出場を計画していたが、出場をキャンセルした。

 

海外勢
 といっても、本当は我々の方こそが海外勢なのだが、次に日本勢以外のチームを紹介しましょう。今回はすごいですねぇ。まずはブラジルのSao Paolo大学のBanana号。まさにバナナです。1993年にWSCにチャレンジした実績を持つバナナ号が再び12年の歳月を超越してアテネにやってきました。相当な苦戦が予想されるものの、ひときわ目を引く大きなボディでがんばっています。なおサイドミラーではなくCCDによるバックモニターを搭載していますが、画面はCRT(ブラウン管)に出ます。重さや消費電力をも超越するすばらしい車体です。ひっくり返すとファラデーマジック2のアッパーに見えてしまうのは私だけ? 実はフロントのスクリーンは巨大な3次曲面です。この部分には、こだわりを感じました。右も、おなじみのイタリアのFutura2です。こちらは練習走行をするまでもないベテランなのか、展示のみでした。

 

 お次は、台湾のソーラーカーSouthern Taiwan University of TechnologyのApollo-IV。太陽電池は、GaAs系。変換効率は20%程度とGaAsとしては低めだが、それでも単結晶シリコンの最高峰のレベルは確保している。ピークで1500Wの出力となる。

 次は、Hans Go!です。前々から気になっていた車体です。ドイツのUniversity of Applied Sciences FH-BochumとイギリスのSouth Bank Universityの2つの大学がジョイントし、太陽電池モジュールで有名なゴッヘルマンのスポンサードを受けて運営されている。車体の名前であるHans Go!はゴッヘルマン社長がHans Gochermanであることから名付けられた。このソーラーカーは、最高級のトリプルジャンクション太陽電池を搭載し、変換効率は27%程度とすごい。晴れていれば2kWを超える発電量が得られるとのこと。次元が違いすぎます。でも、ゴッヘルマンさんの話だとオランダのNunaの方はもっと発電するそうです。ちなみに、アテネの光パワー密度は、晴天時の標準的な値である1000W/m^2を超える実力。景色がまぶしいのは、白い建物のせいだけでは無いようです。

 

 「日本のみなさん、コンニチハ。クリス・セルウッドです。次回のWSCは2005年の9月に開催されます。ヨロシク!!オネガイします。」とWSCのイベント責任者も大会を視察に来ていた。

キムヒデから見たレースのポイント
 アテネのPhaethon 2004は、5日間で795kmの距離で争うとなっている。1日あたりに走行する距離は数100kmと短く、消費できるエネルギーは非常に大きい。しかし、短時間に充放電が可能なバッテリを確保する必要が発生してしまう。そこで、私はバッテリの温度管理が重要になると考えていた。しかし、実際に現場にいると、タイヤをパンクさせないことのほうが、さらに重要になりそうな感じだ。これは、あれた路面を高速で走行するためで、芦屋大をはじめとして、多くのチームがソーラーカー用タイヤの装着を断念しつつある。特に数時間以内のレースであれば、パンクはレース結果に致命傷となるので、転がり抵抗うんぬんよりもまずはパンクさせないということが重要な戦略になりそうだ。

 それでは、 明日もがんばってレポート出来るようがんばります。それでは、みんなアディオ!!(k)

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