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キムヒデのPhaethon 2004レポート3サーキットセッション 2004/05/23 23:00

 今日から本戦となるLEG1がスタートします。今回のPheathon 2004は、サーキットセッションとはラリーセッションに分かれてレースが進行します。サーキットセッションは23日のみで、24日からは5日間のラリーセッションとなります。大半のチームは両方に出場するのですが、Nuna2やBananaなどラリーのみのチームも存在します。

手探り状態で第1ヒートがスタート
 朝9:00から練習走行が行われ、その後スターティンググリッドのポジションを決めるためのタイムトライアルが行われました。予想通りTIGAとOSU model S'がすばらしいラップタイムをたたき出し、フロントローを飾った。この後、11:00〜12:00に1時間の第1ヒートが行われ、その後17:30〜18:30に第2ヒートが行われます。会場となったのは、アテネ市郊外のグリファダにある旧ヘリニコン空港。日本の旧南紀白浜空港といい飛行場は絶好のサーキットコースとなりますね。でも、空港だと折り返しのコースとなるので、コーナーでは特定の側のタイヤが負担を集中的に受けることになります。また、減速して再加速することになるので、モータ、バッテリ、ブレーキなどのトラブルも出やすい厳しいコースといえます。みんな初めて走行となるので、さまざまな不安を抱えながら一斉にスタート。サンレイク東洋紡は、タイムトライアルでは好ポジションにつけていたものの、リアモーター付近からの異音と、異臭で、コース外にストップ。

 

 その後、なんとか自走しながらピットに帰還する。その間、ピットでは下村さんをはじめとして、メンバーが不安そうに帰りを見守っている。リアホイール周りをチェックすると、なんとNGMモータのマグネットが剥離して吹っ飛んでいました。このような事例は、マレーシア大学などでも見たことがあり、NGMモータではよくあるトラブルのようです。なんとか、再接着をしてレースに復帰して欲しいところです。

 

 サンレイク東洋紡をきっかけとし、まもなく各車でさまざまなトラブルが発生し始めることになる。まず、ドイツのHans Go!の、ソーラーカー用ミシュランラジアルタイヤがコーナーや加減速耐えかねパンクする。タイヤ交換後に再スタート! その後、バターンという大きな音が会場を揺らす。台湾から来た阿波羅車体のピットがあわただしい。

 

 なんと、Apollo-IVが滑走路を移る部分のS字コーナー付近で、大転倒!!! 幸いドライバーは無事でしたが、7000万円もするといわれるガリウムヒ素太陽電池がパーになってしまいました。・・・もったいない。

 「これじゃぁ、育英高専さんも、なんかやってくれないと、今日は記事になりませんねぇ。・・・」などと冗談半分なことを言っていると、新品のブリジストンのエコピアがパンク。あまり、うかつなことは言えません・・・。修行のような製作活動を終えた私にも、池上さんのような不気味な力が宿ってきたのか・・・。これからは口を慎まないと行けないなぁと反省するものの、まぁ無理だろうということで、関係ないことにします。アメリカのYale大学は23%の変換効率のガリウムヒ素太陽電池を搭載してきたが、パワーをもてあまし、ダンロップタイヤを2本パンクさせる。けっきょく、芦屋大やOSUが採ったバイク用のタイヤを選択することは正しかったようだ。

 

 スタートから終始激しいデッドヒートを繰り広げたのは、鈴鹿から因縁の対決を続けている芦屋大学と大阪産業大学。抜きつ抜かれつの激しい攻防を繰り広げる。

 

 第1ヒートは、芦屋大が32LAPSでトップとなり、OSUは同一周回数でたったの3.5秒差で2位となった。3位は27LAPSでAurora 101。4位はやはり27LAPSで東海大学園OBチームのFALCONが食らいついている。5位は25LAPSのアメリカのPrincipia UniversityのRaV。第1ヒートを制したTIGAのドライバーの野村さん、2位となったOSUの福井さんは、レースを十分楽しんだようだ。

 

注目の第2ヒート
 さて、いよいよサーキットセッションの最後となる第2ヒートのはじまりだ。第1ヒート同様に激戦が予想される。フロントローは第1ヒートと同じく芦屋大のTIGAと大阪産業大学のOSU model S'。第2ヒートもこの両者の激しいデッドヒートがスタート直後から始まった。

 

 この2台は別格であるようなので、これらはとりあえず放っておいて、その他の車体を見ていきましょう。まずは、地元ギリシアからソーラーカー初挑戦のUniversity of PalrasのHermes。いろいろな資料を取り寄せて作ったらしく、初参加とは思えないできばえ。今後が楽しみである。よし、そろそろカーグラフィックのカメラマンみたいにかっこいい写真を撮ってみようかな? ということで流し撮りに挑戦。「おっけっこう決まった!!」被写体に選ばれたのは育英高専のSalesian。日に日にコンディションが良くなってきているみたいです。来年からは校名変更が予定されているそうで、サレジオ高専となるそうです。(もし間違えがあれば指摘してください。すぐに修正します。)

 

 3位争いも熾烈を極めている。Sunlakeがモータのトラブルで抜けてしまったので、表彰台の一角を狙うのは、Aurira 101、Falcon、RaVの3台。Aurora 101が原因不明のモータパワーダウンでペースを落とす中、FalconがAuroraを交わし3位にポジションを上げる。だが、その後ろからは猛スピードで、RaVがFalconを追いぬく展開に。

 

 一方、Futura2、Banana、HermesはマイペースでLAPを重ねていく。そんな中で、第1ヒートから相変わらず、激しいデッドヒートを繰り広げているTIGAとOSU model S'は残り5分になっても相変わらず、同じようなポジションを走っている。下の写真を交互に見たような感じだ。こうなってくると、実はランデブー走行を楽しんでいるんじゃないかという気になってきますね。けっきょく、コーナリングなどに若干の余裕を残していた?と思われるTIGAが1秒差で第2ヒートもOSUを交わし、サーキットセッションの優勝を飾った。

 

 第2ヒートでは、FalconはRaVに抜かれつつも、同一周回以内に捕捉し、第1ヒートでのリードを利用して、Falconが3位を見事に獲得した。(流し撮りもばっちり決まってうれしい!!)

 最後に笑ったのは、TIGAドライバーの野村さん。OSUの福井さんは、惜しくも敗れてしまった。ガリウムヒ素太陽電池を搭載しているソーラーカーに対して、レーシングカー的性能に優れた日本勢が1,2,3フィニッシュを決めました。やはり、日本にはDream Cupソーラーカーレース鈴鹿という歴史ある大会があったのが貢献したのでしょう。

 

 でも、一番最後に笑ったのは、ミツバの方々かもしれませんね。実はこの3台はすべてミツバDDモータを搭載していましたので、NGM、SCIROといった優秀なモータに対して、モータ供給メーカとしても1,2,3フィニッシュを決めたことになります。

 明日からは、いよいよラリーセッションが始まります。移動が多いので十分な取材や編集ができなくなりますが、できるだけお伝えしましょう。
それでは、アディオ!!(k)。

サーキットセッションレース結果
  No. Country

Car Name

Team Laps
1 81 Japan SkyAce TIGA Ashiya University 66
2 12 Japan Mercury Model S' OSU/SunPower/Sekisuijyushi 66
3 76 Japan Falcon Team Tokai Falcon 54
4 101 Australia Aurora 101 Aurora 53
5 32 USA RaV Principia University 52
6 77 Japan Salesio Salesian Polytechnic Tokyo Ikuei Kosen 45
7 41 Germany and Great Britain Hans Go FH Bochum-London SBU 40
8 63 Italy Futura Associazione Futura 38
9 23 Greece Hermes University of Palras 30
10 7 USA John Lee Team Lux-Yale Solar Racing 30
11 95 Taiwan Apollp IV Southern Taiwan U.T. 13
12 88 Brazil Banana Petrobras/USP 11
13 8 Japan Sunlake Team Sunlake 6
14 21 Germany Heliodet Heliodet 1

 

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