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BackNumber〜2008鈴鹿7  

鈴鹿2008 8耐第1ヒートを振り返る

2008/08/02 20:00

レースの前に、ソラえもん号が鈴鹿サーキットを疾走。その勇姿を現代によみがえらせた。さて、Dream Cupソーラーカーレース鈴鹿の8時間耐久レース第1ヒートは、芦屋大学ソーラーカープロジェクトのSky Ace TIGAが52周を走行しトップとなった。2位は高雄応用科技大学、3位はチャレンジクラスながら堅実な走行を見せた柏会。さて、なぜこのような結果になったのか「振り返り(=Reflection)」を行ってみよう。

 

まず、この日のトップとなった芦屋大学のSky Ace TIGAであるが、OSUによる「トリプルジャンクション太陽電池&三浦愛ドライバー」の奇襲?にさらされ、一時は不安に悩まされる場面もあったが、52周という結果はまずまずだろう。天候的には薄曇りという条件であったので発電量的には推定は難しいが、若干余裕を持ったバッテリ残量となっていると予想される。夕方と明日の発電で満充電に回復させることも余裕だろう。盛谷亨氏によると、昨年よりは発電したが、一昨年には及ばなかったとのこと。けっこうエネルギーは使っちゃいましたよ。


高雄応用科技大学(National Kaoshiung University of Applied Science)のApollo-Vは、芦屋大学から2周遅れた50周を走行して2位となる。「ほらぁ、レース前に言ったとおり50周になったでしょう!!」とHerchang Aye氏は、この結果に満足そうであった。非常に高いレベルの記録であり、同チームとしては最高ラップ数を刻んだことになる。おそらく明日の第2ヒートは今日と同等以上に記録を伸ばせるかもしれない。野村圭佑ドライバーが途中でピットインしたのは、リアタイヤカバーの外れがあったため。しかし、簡単に修正ができたので1分ほどで再スタートを切った。しかし、バッテリは残り5〜3%くらいまで行っちゃったので、過放電してしまったセルがあるかもしれないと、少し不安そうでもあった。今日の、ペース配分としては、序盤に飛ばしすぎたようであり、第2ヒートの前半はもう少し自重する予定。


3位は、チャレンジクラスにエントリーしている柏会の武蔵。70kgオーバーのドライバーを抱えながらも、紀北工業高校を押さえた。2007年は、この可変界磁機構が故障して思うような記録が出せなかったが、ことしはばっちり使いこなせているらしいです。この成績を残すにあたっては、やはりミツバの可変界磁モータの効果が大きいのではないかと考えられる。というのも、本日の薄曇り45周という記録は過去最高ペース。この日の天候は2年前に比べると若干悪かったことから、モータの性能向上分は、体重差のハンディを克服できたといえる。


4位になったのは、なんと呉武田学園呉港高等学校の夢創心。ドリームクラス単独では3位だ。秋田のWSRでも芦屋大学に次ぐ2位(WSR 1位)と健闘しているだけに、着実に実力を上げているチームのひとつであるといえる。ただし、チャレンジクラスの上位陣に追いつかれており、もう少し周回数を重ねるように努力を続ける必要があるので、がんばってほしい。第1ヒートは、夕立が降るものと予想しエネルギーをセーブしたため、バッテリ残量を余らせすぎたとのこと。でも、再輝よりも上の順位に行けたのでうれしいとのこと。

紀北工業高校の紀北SOLARは44周という好記録を出すものの、あと一歩及ばずに5位となった。この原因として、右フロントタイヤのパンクによるピットインが響いた。また、発電系統にも不安があり、太陽電池モジュール内の断線を心配していた。


少し微妙なのは、今日は6位となったAURORA VEHICLE ASSOCIATIONのAURORA 101である。スタート時点でリチウムイオンポリマー電池を過充電してしまったということで、出遅れたが見事に速度を上げてきた。しかし、終盤にペースダウン。ということは予想以上にバッテリ電圧が急激に低下したのではないかと考えられる。この原因として、過充電の影響で電池容量が低下したセルが発生したことが考えられ、さらにもしかするとレース終盤に過放電を行ってしまったセルも発生している可能性もある。バッテリ電圧を監視しているはずなので、このような心配は不要であるかもしれないが、もし過放電したセルも発生したとすると、明日の第2ヒートでは、かなり状態の悪いリチウムイオンポリマーバッテリを使用しなくてはならなくなる可能性がある。

総合7位(チャレンジクラス3位)はちょっとびっくりのチームキョンシーのキョンシー。大きなトラブルにも見舞われず好位置を得た。「たまたま運がよかっただけです。明日は、どうせ順位が落ちますよ。」と言いながらも、今日の結果には満足そうであった。

堺市立工業高校科学部のSCIENCE 708は、第1ヒートで4本のタイヤがパンク。そのため、総合順位8位(チャレンジクラス4位)と苦戦を強いられた。「こんなんじゃ勝負になりませんね。こんなこともありますよ・・・」と山田喜夫氏は無念そうに語った。ただし、ミツバのマグネットvs電磁石の比率が8:9モータの転がりはすばらしいとも話していた。


前半戦は芦屋大学と激しいバトルを演じたOSU大阪産業大学のmodel S'であったが、GHクラフト製の旧型カーボンディスクホイール(コア材を使用しているタイプ)のハブ付近が激しいコーナリングの横Gに耐えきれなかったのか、あるいはそのホイールに固有の問題があったのかは不明であるが、34周を走行するに留まり、総合19位という結果になってしまった。

注目されたオリンピアクラスではあったが、長野県工科短期大学校のFizzer 20Jが31周を走行して総合22位が最高となった。他の4台は32位〜36位まで、すなわち最下位から5位以内に留まるという低調ぶりを示した。(k)

 

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