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 BackNumber〜2013鈴鹿2

鈴鹿2013 ZDPチーフエンジニア池上の「今年の注目ポイント」 2013/08/03 21:00

毎年恒例、ZDPチーフエンジニア池上が、今年もエンジニア的視点から各参加車の注目ポイントをピックアップしてみました。(i)


新レギュレーション対応の大阪産業大学と芦屋大学

 

ソーラーカーに使われる太陽電池は、一般的なシリコン系太陽電池(変換効率16〜22%)と、非常に高価ですが高性能な人工衛星用のガリウム砒素系化合物太陽電池(変換効率24〜27%)がありますが、レースの高速化抑制と予算抑制の観点からワールドソーラーチャレンジでは2011年大会からガリウム砒素系化合物太陽電池の搭載面積はシリコン系太陽電池の半分に規制されました。ソーラーカーレース鈴鹿も今年からそれに沿う形でガリウム砒素系化合物太陽電池はセル面積の合計が4.5u以下に規制されました。今までは全長5m、全幅1.8mに自由に搭載可能でセル面積で実質7.5u程度でしたので、約40%の太陽電池面積減になります。これでは変換効率の高いガリウム砒素系化合物太陽電池をもってしても不利になると判断され、昨年優勝の9大阪産業大学と準優勝の7芦屋大学とも太陽電池をシリコン系太陽電池に張り替えてきました。使用する太陽電池は米国サンパワー社のC60セルを独自にモジュール化したもので、大阪産業大学は外周をカットしたもの、芦屋大学はセルカットをせずに使用していました。


芦屋Sky Ace"TIGA"の予選用モーター

 

芦屋大学は予選でスーパーラップを叩き出すべく予選用モーターを用意してきました。ステーターの積厚を通常の2倍にしたもので、最高速の設定は180km/h以上とのこと。しかしながら予選アタック中のブレーキングで軽量化したブレーキディスクが熱歪みでオチョコになり、ブレーキが効かなくなってオーバーラン。スーパーラップは不発に終わりました。運動エネルギーは速度の二乗ですから、速度がもし1.4倍なら運動エネルギーは2倍。つまりブレーキディスクは2倍のエネルギーを吸収する必要があります。軽量化に配慮するのはもちろんですが、今の仕様が余裕があるのか、あるいはギリギリなのかは知っておく必要がありますね。来年はおそらくブレーキも予選用に強化してスーパーラップを叩き出してくれるでしょう。ね!?野村さん。


新レギュレーション対応の芦屋大学QUAD

 

一方、昨年まではセル面積合計で6uが搭載可能であったオリンピアクラスは、ガリウム砒素系化合物太陽電池については今年から3uとされ、昨年ガリウム砒素系太陽電池でブッチギリのクラス優勝を決めた、もう1台の芦屋大学、008"QUAD"(オリンピアクラス)はシリコン系太陽電池への貼り替えは行わず、ガリウム砒素系のまま搭載面積を減らして対応してきました。これは昨年までの車体寸法規定である全長4m、全幅1.8m(今年から全長4.5mに変更された)では、もともと6uの搭載面積が確保できていないため、3uに減らしても低下率が少ないためと思われます。


オリンパスRSと柏会が搭載の新型バッテリー

大会規定では搭載する鉛バッテリーは制御弁式(いわゆるシールドバッテリー、MF=メンテナンスフリーバッテリーと呼ばれるもの)であることが要求されています。これは安全性上、アクシデント等によりバッテリーケースが破損した場合も希硫酸が漏れないようにとの配慮です。その中で市販品から規定搭載量の80kg以下になるものを探すと採用候補になるのが古河電池のFPX12240とFT-LB20Lで、ほとんどのチームがこれのどちらかを搭載しています。エンジョイクラスの101オリンパスRSと23柏会が、今年パナソニックから発売された新製品でクラウンハイブリッドの補機用のバッテリーを採用してきました。

http://panasonic.jp/car/battery/caoshv-iss/index.html

柏会で電気系を担当する松山さん曰く「かなり良いですよ」とのこと。カタログデータで比較してみると確かに良さそうです。ただし1個あたりの重量が重いため80kg以下に収めるために搭載数は最大5個となり、電圧は12V×5個=60Vになります。ミツバ製のソーラーカー専用インホイールモーターを使う場合、通常は12V鉛バッテリーを8個直列でソーラーカーレース鈴鹿に丁度良い速度が出せますが、電圧が低くなるとその分速度が出なくなります。

・パナソニックcaosハイブリッド車用バッテリー
形式:S65D26
容量:57Ah(20時間率) 
重量:16kg
5個搭載可能 12V×57Ah×5個=合計3.42kwh

・古河電池 小形制御弁式鉛蓄電池
形式:FPX12240H
容量:24Ah(20時間率)実力で4時間率28〜29Ahあり
重量:9.4kg
8個搭載可能 12V×29Ah×8個=合計2.78kwh 

・古河電池 スカイライン用MFバッテリー
形式:FT-LB20L
容量:27Ah(5時間率)
重量:8.5kg
9個搭載可能 27Ah×9個=合計2.92kwh



勉強熱心な松阪工業高校

 

67松阪工業高校がニューマシンを製作してきました。車体の中を見ると非常にうまくまとまっています。どこかで見たような感じなのは、私が設計して中学生と一緒に作った「SETP江東」のソーラーカー、製作講習会のテキストで図面も公開しましたが、それを参考にした様子で私オススメのアルミ角パイプ溶接アップライトなども採用されています。ボディの造りはいくつかのチームの影響も感じられたりします。お手本にすべき車の良いところを参考にして真似るのは良いことですね。100%真似るのではなく、自分達のオリジナルな部分が感じられるのも良いですね。


新コンセプトの千葉黎明高校

62千葉黎明高校は新コンセプトの新車を投入してきました。今までの車では平塚工科高校には勝てないと判断したのでしょうか。トレッドを極端に狭めた車で全幅はわずか1050mmしかありません。太陽電池は搭載はしていますが、バッテリーカーに近いコンセプトです。バッテリーを前輪スパッツ内に収納することで低重心化に配慮しているものの、ドライバーが高い位置にいるため平塚工科高校の低重心にはおよばず、鈴鹿サーキットのコーナーを高速で旋回するには苦しそうです。しかしながらそのチャンレンジ精神は評価すべきでしょうね。


私がアドバイサーを務める東海大学は今年の10月にオーストラリアで開催されるワールドソーラーチャレンジに向けて、まさに今、新型車両組立の真っ最中です。多少、後ろ髪を引かれる思いはあったものの、作業は学生達にまかせて、私は刺激を求めて今年も鈴鹿に来てしまいました。やっぱり楽しいですね!鈴鹿。(i)


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