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 BackNumber〜2014鈴鹿4

鈴鹿2014 ZDPチーフエンジニア池上の「今年の注目ポイント」 2014/08/02 14:00

毎年恒例、ZDPテクニカルディレクター池上が、今年もエンジニア的視点から各参加車の注目ポイントをピックアップしてみました。(i)


アルミの溶接は要注意

 

車検のブレーキ制動テストで今宮工科高校ソーラー研究部”ライジングサンダー”の右サスペンションロアアームが破損しました。破損部を見るとアルミパイプ端部に段付きカラーを入れて溶接していますが、溶接は全周ではなく点付け状態。溶け込みが取れておらず、ビード表面は削り取られていて溶接不良の状態でした。抜け止めのピンが打ってあったので、チームも溶接不良は認識していたのでしょう。破損していないサスペンションアームもすべて同様の状態でしたので、遅かれ早かれ破損したと思われます。

 

アルミの溶接はアルゴンガスを溶接部に吹き付けながら空気を遮断して溶接するTIG(タングステンイナートガスアーク)溶接を用います。溶接棒を使う鉄のアーク溶接は比較的簡単ですが、TIG溶接は金属が溶けた状態を目視で確認しながら溶接を進めるので、ある程度のスキルが要求されます。サスペンションアームが破損すれば大きな事故になりかねないので細心の注意を持って製作する必要があります。軽量化のためにアルミを使うことは否定しませんが、製作技術が追い付かないのであれば、確実な溶接ができる鉄パイプを使うのも良いでしょう。写真左は中日本自動車短期大学の鉄溶接サスペンションアームの例です。写真右はTERRA-SUNSのアルミ溶接アームですが、ここも全周が溶接されていない状態でした。今宮工科高校はこのトラブルの後、大阪の学校まで帰って溶接し直してきました。決勝日朝の再車検を合格し、無事、決勝スターティンググリッドに並ぶことができました。


厳格化された第1ロールバー

 

転倒時のドライバー保護のため、今年からハンドルより前方に設置する第1ロールバーの適用が厳格化されました。第1ロールバーと第2ロールバーで守られた空間の中にドライバーが完全に収まることが要求されます。車検ではアルミ製パイプチェックをロールバー間に渡してチェックされていました。写真左下は名古屋工業大学ソーラーカー部の新車で、前後ロールバーはかCFRPで製作されています。写真右下はJAGつくばソーラーカーチームです。ボディをかぶせると、白くカラーリングされた部分がボディ上に露出するようになっており、薄いボディデザインのまま、レギュレーションを満足させています。


 

写真左は4年ぶりに参加のTeamOKINAWA。溶接に適した高強度アルミの7N01をR形状に曲げるのは難しいので、このようにアルミ角パイプを積み重ねてロールバーを作るをは良い手かもしれないですね。写真右は紀北工業高校ものつくり研究部。歴史あるチームらしく非常に綺麗な仕上がりの溶接構造でした。


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