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 BackNumber〜2019春2

2019 WEM 本戦 2019/05/05 24:00

2019 WEM本戦は、快晴で風が弱いといったこの大潟村ソーラースポーツラインとしては、めったにない素晴らしい天候の中でスタートした。

序盤はZDPのTachyonと東郷アヒルエコパレーシングのPursuiterがリードし、チーム”ヨイショット!”ミツバのアルティメット テスラ'19が続く。team EVFのF-05も、直前に巻き線作業を終えたモーターで4位のポジションにつける。

レース中盤、1時間1分が経過したところで、Tachyonが1位で8周を終えて9周目に入る。しかし、9週目の折り返しを過ぎたあたりの復路の魔のゾーンでTachyonがパンクし、ここでレースを終える。15.5周=93kmの記録は十分に狙えたペースだけに残念な結果となった。この時点で約1分遅れの位置にいたPursuiterが首位に立ち、このままレースを主導した。

残り30分を過ぎ、1時間36分台でPursuiterが12周を終え、13周目に入る。6分遅れてF-05が続き、東海大学チャレンジセンターのファラデーマジック2が3位でゲートを通過。続いて、序盤を飛ばし過ぎたテスラ、長野工業高等学校環境システム班のSPEvolutionVerS、学法福島ERLのInspecterが続く。最後に、F-05もパンクし、ファラデーマジック2、テスラは急速なバッテリ電圧の低下で失速。この間に、Inspecterが最後のごぼう抜きに成功し、総合2位となった。3位はファラデーマジック2、4位はF-05、5位はSPEvoltionVerS。6位はKITエコランプロジェクトのwake。7位は群馬県立渋川工業高等学校BのCrescent。強豪チームのテスラとTeam ENDLESSのリボンGo!は、それぞれ8位と9位という結果にとどまった。

東郷アヒルエコパレーシングのPursuiterは、伝統あるWEM秋田で2回目の総合優勝を成し遂げた。
なお表彰式の最後に、2020年の秋田大会は5月4日〜5日に開催することが決定したとのアナウンスがあった。(k)

2019 WEM エコノムーブライト部門 本戦 2019/05/05 12:00

5月5日8:45、2019 WEM エコノムーブライト部門 本戦がスタートした。45分の競技終了時間の少し手前の44分頃に、小野塚レーシング(orz)のZ1が、14周を周回し1位に。東海大学チャレンジセンターのINAZUMA VIは、序盤からリードを続けてきたが、最終周に逆転されトップと同じ14周を走行するも2位。3位はふじちゃんずのふじちゃんで記録は13周。

優勝した小野塚レーシングは、小野塚精機製のモーターコントローラーを搭載し、レース終盤に通電進角を使用して、ペースダウンを抑えられたことが勝因になったと思われます。また、レース序盤には相補PWM制御による速度調整を行い、スイッチングトランジスタがOFFになったときに、還流電流がフリーホイールダイオードを通る際の順方向電圧降下Vfで発生する電力損失を無くすことができていることも勝利に貢献したと考えられる。

また、1位の小野塚レーシング、2位の東海大学とも空気抵抗を減らすフェアリング(風防)が、とくにドライバーの後方側にしっかりと付けられており、他チームを引き離すことができたと考えられる。(k)

2019 WEM キムヒデ車検レポート 2019/05/04 18:00

「古河電工のアルミハーネス」
電線には、電気をよく流せる(電気抵抗が小さい)材料が用いられる。一般に金属は金属結晶の状態であると、自由電子が多いので、電気をよく通す。銀、銅、金、アルミは電気抵抗率が低く、電線材料として候補となる。以下に電気抵抗率が小さい金属とその比重を示す。単位はそれぞれ、(Ω m)と(g/cm^3)である。

金属 (元素記号), 電気抵抗率(Ω m), 比重(g/ cm^3)
銀 (Ag), 1.59×10^?8, 10.5
銅 (Cu), 1.68×10^?8, 8.9
金 (Au), 2.44×10^?8, 19.3
アルミニウム (Al), 2.82×10^?8, 2.7

ここで、銀と銅を比べると、大きな差がないため、比較的安価な銅が一般に電線材料に選ばれる。金は値段が高すぎるので電線に使うのは無理。この中で、アルミはずば抜けて軽いため、軽量化を目指す場合には候補となる。しかしながら、電気抵抗率は高めになり、耐屈曲性が悪く折れやすい、水や空気中の酸素で酸化し表面に酸化アルミができる、他の金属と接触すると腐食しやすいなどの理由から、これまで一般家庭の中で使われるようなことはなかった。
例外的には、軽量化が求められる高圧線の電線には鋼線を芯材としたアルミ電線が使われてきたし、アンモニア冷凍機では銅よりもアルミの方がアルカリに強いという理由からアルミのマグネットワイヤ用いらることがあった。
なお、純銀電線も金に糸目をつけない一部のオーディオマニアが使うこともある。
ところで、金属で一番電気を流すのは?と学生に聞くと、金と答える場合があるが、これはUSBの接点やヘッドフォンの端子などに使われることが多いため、誤解しているからである。
実際には、金は錆びにくく、比較的やわらかく、接触抵抗が小さいといったことなどから、微弱な信号を取り扱うコネクタに使われることが多い。一方、大電流が流れるパワー用は銀メッキを使うことがある。

さて、前置きが長くなったが、ハイブリッド車や電気自動車などでは、軽量化を進めるために、アルミ電線を採用するケースが増えてきている。アルミは銅より電気抵抗率は5/3倍ほど大きくなるが、比重は1/3とかなり軽い。トータルでは4割ほど軽くできる可能性がある。(実際には同じ抵抗値の電線を作ろうとした場合には、絶縁被覆の堆積が大きくなり、コネクタの根本サイズも大きくなるため、2〜3割ほどになる場合が多い。)また、銅よりもアルミの方が安価にできるのではないかという期待も後押しているのだろう。

大会会場では古河電工のアルミハーネスの展示があり、実際にそれを搭載したエコランカーも出場していた。このハーネスの特徴としては、電線の端末に付ける端子がレーザー溶接により密閉化されており、これによって腐食の原因となる水の侵入をブロックできる構造にあるそうだ。単品として販売は行っていないとのことであるが、これから注目される技術になるだろう。詳しくはコメントで示したパネルの説明を読んでね。

余談ですが、非結晶の状態の金属や不純物が多く入った金属は、自由電子が動きにくくなるので電気抵抗が高くなります。モーターの電磁石コア材などは、電気抵抗率が高い方がよいとされています。反対に、純度が高い方が電気抵抗率は若干ですが小さくなります。(k)


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